MONO JAPAN を終えて

オランダで日本現代アートやクラフトに携わる仕事をしていたからこそ出会えた人々、できた経験

MONO JAPAN 2018を通して、大きな経験を得ることができました。今回のMONO JAPANで得た一番の収穫は、様々な背景を持つ人々と一緒に仕事ができたことです。イベント準備期間・最中に様々な専門分野を持つ在蘭日本人やオランダ人、またヨーロッパ在住の日本人と出会い、オランダを主とするヨーロッパのビジネスや働き方、人々について、勉強できました。特にMONO JAPAN 2018の準備を始めた頃は、複数の国が交わり、様々な背景や経験から生まれる多様な意見が、1つのテーブルの上で交錯することは、人類学を専攻していた私にとって、とてもワクワクするものでした。

また、国によっての働き方の違いということも学びました。例えば、オランダでは、チラシを直接店舗に配ったり、Facebookを使って宣伝を行ったり、あるいはチケットが直前に売れることが多かったり等、国が異なることで、働き方も異なっているということが興味深かったです。将来海外進出を目指す自分を想像し、その国のことを知るゲートキーパーの存在や、事前に情報を自己確認しておく重要性を知りました。

他にも、イベント最中にフロアを回っていた時に、複数のMONO JAPANの出展者さんと話をさせていただくことができました。中でも印象に残っていることは、日本でも地域によって、製品や流行、強い産業等が違っており、それは、地理的特徴や地域の文化の違いからくるということや、その違いは、地域ごとのビジネススタイルにも影響しているということです。インターネットによりあらゆる地域からの情報に影響を受けやすい現代社会でも、文化や慣習によって形成される生活スタイルは様々な場面で残されており、それら受け継がれてきたものは根強く残っているのだと思いました。また、都市計画を踏まえ、大陸からの情報の受け皿である福岡や、ハブとして機能を果たす東京、あるいは、伝統産業やモノづくりが盛んな北陸地域といった地域ごとの違いを知ることは、都市の機能性を生かすことや、住民に住みやすい街を提供することに対して、必要不可欠であると思いました。私は国際学部出身ということで、オランダに留学し、オランダの都市計画に魅了され、日本の都市にできることは何かないのかと考えていました 。結果的に、MONO JAPANでの個人的成果として、日本についての知識が足りないことに気づき、そして知ることの必要性を見出すことができました。

 

インターン生の視点として、MONO JAPAN2018は多くのお客さんに恵まれ、事故もなく、大成功を収めたのではないかと思います。私自身、クロークで働いている際に、「よかった」の声を聞くことばかりでした。イベントに訪れるほとんどのお客さんが服を預けに来るため、人を見る機会が多く、私は、どんな人(年齢、性別、人種、社会階層、志向等)がMONO JAPANに興味があるのかということを考えていました。クロークルームで、お客さんの所持品を見ることが多かったのですが、少し上品な服装をしている方や、品質の高い自転車やカバンを持っていられる方が、多いように感じられました。そして、多くの在蘭日本人のお客さんも家族で来場していただいたことも見られました。また、会場を見て回っている際は、多くのお客さんが滞りなく流動的でした。少し、出展者側(日本人)とお客さん(日本語が堪能でない方がほとんど)の言葉の壁を心配していましたが、英語を話せるショップのスタッフが常にいて、うまくコミュニケーションをとっていました。また、来場者の中には、出展品に熱心している方や気になる点を質問する方もいて、うまくコミュニケーションをとる姿が見られました。私はイベントに週末のみしか参加できなかったのですが、月曜日がビジネスパーソンに対するB to Bの日で、出展者側としては、この日に力を入れている店舗が多かったです。実際、出展者の一つのFukumono shopの方が、「月曜日が勝負ですね。」とおっしゃっていました。また、週末のノルマはクリアしているとも聞き、MONO JAPANのJCEスタッフとお客さんだけでなく、出展者側も合わせた3つの陣営が満足しているという点で、非常にうれしく思ったことを覚えています。

MONO JAPAN2018は、9月から6カ月間を経て、完成しました。日本のモダンアートやクラフトを海外で伝えるイベントは、非常に珍しいと思います。MONO JAPANは、イベントの珍しさで注目を集める代わりに、自ら市場を開拓していく難しさがあると思います。日本という国のイメージが、和やアニメの国で終わってしまうだけでなく、このようなモダンなクラフトやデザインという新たな視点を与えられるイベントが存在することは、社会的に大きな意味があると思うので、一人の日本人として、これからも心より応援したいと思います。

JCE インターン

分部 丈