アムステルダムの国立博物館「有田焼の今」展覧会

アムステルダムの国立博物館「有田焼の今」展覧会

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1.柿右衛門の花瓶

2016年4月21日、JCE代表の中條永味子と共に、アムステルダムの国立博物館でこの日から開始する特別展覧会「有田焼の今」のプレスプレビューに行ってきました。

有田とオランダの歴史

朝鮮出身の陶祖、李参平によって日本で最初に陶磁器の製法が有田に伝えられました。1616年、製陶に適した陶石が発見され、その後有田は磁器産業の中心地として急速に発展しました。有田焼(伊万里焼とも呼ばれ、いくつかの様式があります)は数世紀に渡って人気を博し、有田町は製陶の代名詞となりました。17〜18世紀にかけて有田で作られた磁器は当時、オランダ東インド会社(VOC)を通してヨーロッパへ輸出されました。 彼らが有田焼を買い付けるときに、ヨーロッパの人々の趣味に合うように誂えることもあり、有田焼もそれに合わせて発展していきました。オランダのデルフト焼は有田焼に影響を受けたことで知られています。アムステルダムにある国立博物館のコレクションでは、この日蘭の古いつながりにちなんだものが多く所蔵されています。

2016/プロジェクト

2016年以来、有田は日本の磁器産業の重要な産地となりました。20世紀後半になり、全世界的な不況が日本の経済を脅かし、かつての高騰市況は行き詰まりました。「2016/」プロジェクトは有田焼を再興し、奥深い技術を継承するための刺激的で新しい第一歩です。「2016/」は佐賀県とオランダのコラボレーションにより、有田焼を再興し、奥深い技術を継承するための刺激的なプロジェクトです。プロジェクトのクリエイティブディレクターを務める柳原照弘とショルテン&バーイングスは、佐賀県にある16の窯元・商社と、16組の国際的に活躍するデザイナーたちとプロジェクトを立ち上げ、そのディレクションを行いました。そしてこの春、コレクションの全貌は有田焼創業400 年記念の年である2016年にミラノで、そしてアムステルダムの国立博物館で発表されました。

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2.Scholten & Baijingsのプレート

展覧会

私はこのような公式な式典に参加したのは初めてだったので、どのような会なのかとても興味がありました。10:30にプレス関係や佐賀県庁関係、デザイナーたちが集まりオープニングレセプションが開始、佐賀県の副県長からの短いスピーチで会が始まりました。その後Scholten & Baijingsの二人と柳原照弘さん、そして柿右衛門からのスピーチが順に行われました。今回はプロジェクトでデザイナーたちと共にプロダクトを作り上げた全ての窯元も来蘭しており、スピーチの際に柳原さんによって一人一人紹介されていました。

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3. 左より、柿右衛門、メノ・フィツキ(国立博物館アジア館・キュレーター)、柳原照弘さん、Scholten & Baijings

オープニングレセプションの後は、来場者はアジア館の展示会場に移動し展覧会を誰よりも先に観ることが出来ました。様々な大きさ、サイズ、意匠をこらした43もの陶磁器作品が展示される会場では、デザイナーたちが来場者に制作時のストーリーを語り、これにより人々の作品に対しての理解がさらに深まっていました。私の一番好きだった作品はクリスティーン・メインデルツマのテーブルウェア・シリーズ(写真4)です。シンプルで効率的、そしてこのシリーズをもっと特別なものにしているのは、使われている釉薬が、昔の使われなくなった陶磁器を粉々に生成された粉にして釉薬として再利用されていると聞いたことです。その話を伺い、改めて作品を見ると、新しい作品と一緒に昔の陶磁器の粒も見ている、という気持ちになりました。

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4.クリスティーン・メインデルツマのシリーズ

これらの新しい2016/の作品群と共に、柿右衛門の器も展示されています。この度来蘭した15代目柿右衛門は国立博物館のためにモダンな作品を制作し、寄贈しています。これらは17世紀の柿右衛門作品と共に展示されています。初代の坂井田柿右衛門(1596-1666)の登場以来、由緒あるブランドとして、その技術や製法が綿々と受け継がれています。国立博物館の柿右衛門のコレクションは110作品あり、オランダ国内最大のものです。

私は陶磁器を愛する方々はもちろんそれ以外の方々にも広くこの展覧会を鑑賞になることをお勧めします。日本の伝統文化や、そしてもちろん日蘭の世紀にわたる交流を感じる素晴らしい機会です。

ラシェレ・フェルヘイデン(JCEインターン)