濱野貴子個展「アーネマウデンからアワシマへの眺め+」

「人は‘他者’と身体的に、そして精神的に分け離れていながらも、 さまざまな関わりの中で日々を生かされている」という強い感覚があるからこそ、濱野は「フィールド」探索に足を運んで来た。訪れる地域に住む人たちに話を聞かせてもらい、生活の声や音を録音し、絵を描き、動画をつくりながら新しい作品をつくる。すでに忘れかけられた、忘れ去られた記憶の破片を、作品を通して手渡していきたい思いだ。

オランダと日本の漁村で行ったアーネマウデンプロジェクト(2004-2006)、窪津プロジェクト(2007-2008)、そして離島粟島で行ったプロジェクト(2013)から生まれた作品の一部が、新たな風景として空間に再構成される。作家の「モノ語り」を、近くから、あるいは遠くから眺めてみよう、という試みである。

「パンをもつ少女」(水移る思いでつづり/ 2005)、「タヌキ坊や」(窪津ノ夢ヲミタ。/ 2008)、「フローター」(MIRRORED MEMORIED / 2009)、「さっちゃん」(さっちゃんの真夜中の庭 / 2009)そして「こきりことアカオニ」(ハマノオイナリサン松林想 / 2013)は現実の世界から生まれて来た想像の人物たち。もしもアーネマウデンの「パンをもつ少女」が瀬戸内海の深い松林で「こきりことアカオニ」に出会ったのならば、いったいその先のモノ語りは一体どこへと向かってゆくのだろうか。

濱野貴子

立教大学社会学部社会学科を卒業後、オランダアムステルダムにて美術を学び、作家活動を開始。記憶や関係性をテーマに、幻想を多く含むドローイング、サウンド、アニメーション、ブックワーク、パフォーマンスや空間作品をオランダと日本で展開。

濱野貴子ウェブサイト

オープニングレセプション:2015年9月3日(木)
展示開催期間:2015年9月3日(木)~26日(土)
場所:Japan Cultural Exchange
住所:Nieuwezijds Voorburgwal 177-1, 1012 RK Amsterdam (‘t Japans Winkeltjeの上)
入場料:無料
会場:火曜~土曜日10~18時オープン